080711ストーリー

もうすぐ夏がくるぞーっ

という感じの蒸し暑さでいつもより

ちょっとだけ早く目が覚めた。

パンをかじりながら

深夜もすごい行列だった表参道はどうなっているんだろう?

と思い、ネットでその様子や、掲示板でのiphoneに対する

みんなの反応を見ていた

もう先行発売が始まっている

すごい!これはほんとにお祭りだ。

でも自分は、すぐには買うつもりはなかった。

一日中家で仕事をしている為

通勤するわけでもなくメールチェックも

家のパソコンで出来る。

それに表参道に10時間以上並び続ける自信もなかったし

予約もしていなかったから、今日は買えないだろう。

気にはなっていたけど

はたして自分の生活に必要なのか?とか

まずは様子見、、とか

基本料がとか

いろいろ買わない理由を

考えて我慢をしていた。

そうこうしているうちに

とうとう一般発売開始の12時になった。

ちょっとだけ、、と思いつつ

近所のソフトバンクショップへ電話。

「うちは3台しか入荷してなくて、、」

と言われなぜかほっとする。

だんだん欲しいのか欲しくないのか分からなくなってくる。

これはもうあれだ、高校生の時好きだった女の子を

考えてる時と一緒だ。

「とにかく気になる!!理由は分からん!」

それに

お祭りはその日が終わってしまえばそれまでだけど

このお祭りは違う

これは今日から始まるお祭りなんだと思った。

この時点でもう13時。

とりあえず近所にケータイショップがあるのを知っていたので

検索してみるも全然でてこない。

えーい、じゃあもう直接行ってやる。

自転車を必死でこいでそのショップに向かった。

これで

「こんな時間に来てもありません」

ときっちり振られて、あきらめようと思った。

なんか「好きです!!」

と告白する気分だ。

やっとショップに着いたが

今日は暑い。

汗だくになり、アイフォ~ンありますか?

と聞くのがとても恥ずかしい。

ホントに告白してるみたいでよけいに恥ずかしい。

「あ~うちは取り扱ってません」

と言われて、やっぱりねと思う。

振られた、、、。

このまま帰るのも寂しいのでなんとなく駅の方へ向かう。

とぼとぼ、とぼとぼ、、。

が、すぐに

「そういえばあのへんにもケータイショップがあるなあ、、」

という考えが頭をめぐっていた。

あ~、なんてあきらめがわるいんだろう。

ペットボトルの水を一本買って

いっきに半分ぐらい飲み干した。

それにしてもホントに暑い。

表参道で並んでいる方は本当に大変だろうな。

駅の方へ向かう途中、家電量販店の看板を見つけた

「あれ?こんなところにあったっけ?」

と思い、早速そのお店へ向かう。

なんだかすごく得した気分だ。

でもここも残念ながら

「取り扱いしていない」

とのこと。

がっかりしながら、また自転車にまたがる。

もうすっかりペットボトルの水がぬるくなってしまった。

しかし、なんて計画性のない行き当たりばったりのiphone探しだろう

この感じは

小学生の時のドラクエ3発売の時と一緒だなあ

あの時もドキドキしながら玩具屋に電話したり自転車でめぐったり

店員さんの

「またか、、」

という雰囲気に泣きそうになったりしたのを思い出した。

そんなことを考えていたら駅の繁華街へ着いた。

駅前のソフトバンクショップは

「整理券配り終わりました」

の張り紙。

時間はもう14時をまわってる。

これはダメだなあと思っていると

アーケード街のケータイショップにiphoneが展示してあるのが

チラッと見えた。

もしや!

「あるんですか?」

と聞くと

「はい、ありますよ」

との返事。

おおおーーしかも自分が欲しかった16Gの黒だけがあるとのこと。

なんということだろう。

機種変はダメで新規だけと言われ、

機種変を考えていた自分は迷ったが

もうここまで来たら新規でいいでもいい。

とにかく付き合ってみようと思う。

やっぱりダメだったと思うかもしれないけど

その時はまたその時に考えよう。

家に戻り、彼女と一緒に夕飯を食べた。

「今日はすごく日に焼けた」

と言うと

「iphone焼けだね」

と笑われ、それがその日一番恥ずかしかった。

ドラクエ3を買った頃から、あんまり変わってないなあ、、オレ。

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