何種類もの英会話オンラインスクールを受けたわけではないので分からないのだが、こういうものなのだろうか?英会話オンラインスクールって。
僕が想像していたのは、教材があって、先生がそれについて親切に教えてくれて、
「はい、じゃあやってみましょう〜」
みたいな、なんというか学校の授業の延長にある感じだと思っていたのだが。
どきどき
今回はお試しレッスンの二回目。前回と同じ先生を選んでみた。まだまだ慣れず緊張するので、少しでも話をした事がある先生のほうが安心する。パソコンのスカイプを開き先生からのコールを待った。今日はどんなことをするんだろうか?前回は初心者用のテキストをPDFでもらって、それを見ながら簡単なフレーズを覚えたり、一緒に会話をロールプレイしたりしたから、その復習からだろうか?それとも、もうちょっと難しい次のテキストをするのかな?
いろいろ考えていたら、スカイプのコール音が鳴った。ドキッとする。あれを聞いただけで、もう手に汗が滲んできた。恐るおそるハロー?と返事をすると、親しみのある先生の声が聞こえた。ハーイ○○、と名前を呼ばれ、ちょっと安心した。よーし、もうなるようになれだ!とにかくいまは先生が何を言ってるかに集中しよう。簡単な挨拶から入り、前はこんな話をしたよね〜とフリートークが始った。もう一言返事をするだけで必死な自分。ああ、情けない。どうやら先生は、僕がイラストを描く仕事をしているからなのか、その事にとても興味を持ってくれたらしい。先生の子供が描いた絵も見せてくれた。雪が積もるなかに赤い家と雪だるま。とってもかわいい絵で、
「いいな〜この絵、好きだな〜」
と思った。
謎の笑顔
フリートークは、まだまだ続き先生は
「どういう時、絵のアイデアが浮かぶの?」
だの
「じゃあ絵を描いていて、もし編集者と意見が別れたらどうしてるの?」
だの
「そういう時、どうやって解決してる?」
だの
そんな日本語でも難しいようなことを、オレの英語レベルでどう説明せいっちゅーねん!と言いたくなる様な質問をどんどんしてくる。もはや単語でしか説明できない。もう頭がぼーっとしてきた。それにしてもフリートーク長いなあと思った。
しばらくして
「OK、じゃあ、、」
と言って、先生がこの記事読んでみてと、どこかのサイトのリンクをチャットしてきた。おお、やっと授業?の始まり?。リンクを開く。短い記事が載っている。読んでみて、分からない単語は説明するからと言われ、一通り読む。読み終わった時に、なぜか先生がニヤッと笑った様な気がした。
「ん?」
ちょっと不思議に思い、先生の顔をもう一度見る。なんだ?なんだ?
「さて、、、」
と先生。
「この記事、どんな内容だったか、英語で言ってみて。」
そう言われ、思わずえーーーっと叫んでしまった。よ、要約しろと?そんな難しいことを?そうか、そのニヤッだったのか。あなたにこれが出来るかしら?ってことか!?無理だよーと思いつつ、記事を読み直す、、、あれ?僕が「ん?」という顔をした瞬間、また先生が微笑んだ気がした。
「んんん?これって、、」
完全には理解できなかったが、それが分かった瞬間、ちょっと感動してしまい言葉が出なかった。決して英語のスキルが低かったせいではないことを祈る。
「先生これって、、」
まさか?の展開
そうなのだ。記事の内容は困難に直面した時、あなたはどうしますか?みたいなことが書いてあった。ただのフリートークだと思っていたあの会話は、ここに繋げるための伏線だったのだ。そして先生のあのニヤッはおそらく、
「そのことに気がつくかな、、ヒントはあったよ、、、考えて、、」
のニヤッだったに違いない。
「これ、さっき一緒に話していたテーマと同じこと言ってます!!」
そう答えると先生は、すんごい嬉しそうな顔で褒めてくれた。まさか知らない間に伏線が貼られて、それが50分のレッスンのなかで回収されるとは。これを生徒さん一人ひとりに合わせて話題を探し、考え、構成してレッスンを作ってるのだろうか?だとしたらいったいどれだけの時間がかかっているのだろう?お、恐るべし。
どこに感動してるんだか
最後は、お互いの生活の中で困難に直面してることある?どうしていきたい?みたいな話をした。先生も僕も30代。まあ、いろいろあるよね〜。わかるわかるという話が多かった。そしてレッスンが終わった。
それにしても。
先生が一瞬見せたあのニヤッの意味が分かった時は、本当にビックリした。まさかちゃんと全部に意味があって繋がっていたとは、、。恐れ入りました。ああ、そうだ、なんかに似てるな〜と思ったんだけどあれだ。キレイに展開がおさまった映画を見終わった後の気分に似てる。挨拶から始まりフリートークがあり、実は伏線になってて、ちゃんと回収されて、最後はちょっと深い話して、ぴったり50分。すげー気持ちよかった。
「そこに感動かよ」
と言われそうですが、自分には衝撃的な体験でした。
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